葬式 ごっこ。 23年前に中野区立中野富士見中学に通っていた一人の生徒、鹿川裕...

事件の涙(NHK)鹿川裕史くん葬式ごっこ事件の見逃し配信動画を無料フル視聴

葬式 ごっこ

2011年に起きたいわゆる「大津いじめ事件」のおり、1986年に起きた「中野富士見中学いじめ事件」を思い出した。 本書はその「中野富士見中学いじめ事件」が起きた8年後に書かれたもので、自殺した生徒の遺族が起こした損害賠償訴訟の高等裁判所における判決(1994年)とそのことを含めた著者の事件に対する考え、さらにその同級生たち10人(8人は事件発生時点で同じクラスだった)と生徒の親たち3人のインタビューと、インタビューに協力した同級生3人による座談会、教育学者へのインタビュー、著者自身が語り手となったインタビューなどで構成されている。 最も強く印象に残ったのは同級生たちの証言である。 そのため、多くの生徒の身体に直接傷がつくことはないが、その心には傷が残るだろう(もちろん、忘却したり、自らを正当化する生徒もいることは分かっている)。 そういった意味でも、事件から8年が経過し、事件を直視し、その経験を内面化しているこれらの証言は、大きな意味合いがあるように思える。 その次に強く印象に残ったのは、本書で描かれる「いじめ事件」の構図である。 四半世紀過ぎても、同じ悲劇が繰り返されたことを考えると、本書が提起した問題は、残念なことに全く生かされなかったということなのだろう。 著者の考えの全てに賛成ではないが、刊行からすでに20年近く経過し、品切(絶版)になっているようであるが、本書が出版された意義・意味合いは減じるどころか増しているのではないだろうか? 最初の30ページ、鹿川裕史君が自殺までの37時間に見た風景「東京中野の自宅から盛岡の駅ビル地下の公衆トイレまで」がカラー写真で載っている。 一番終わりの写真は、鹿川君が首を吊ったトイレのフック。 フックは低い位置に付け替えられている。 この30ページを繰り返し見る。 鹿川君の胸の内が迫ってくるような気がする。 本文は同級生11人の証言。 生の言葉がそのまま載っている。 表紙と裏表紙には、『このままじゃ、「生きジゴク」になっちゃうよ』という鹿川君の遺書の全文があり、裏表紙の扉には彼の写真とお墓が写っている。 「葬式ごっこ」でいじめられ、死に追い込まれた鹿川君の弔いを心から願う気持ちが本全体から丸ごと伝わってくる。 同じ著者による続編をいつまでもずっと待っています。

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『「葬式ごっこ」―八年後の証言』(豊田充)の感想(9レビュー)

葬式 ごっこ

2011年に起きたいわゆる「大津いじめ事件」のおり、1986年に起きた「中野富士見中学いじめ事件」を思い出した。 本書はその「中野富士見中学いじめ事件」が起きた8年後に書かれたもので、自殺した生徒の遺族が起こした損害賠償訴訟の高等裁判所における判決(1994年)とそのことを含めた著者の事件に対する考え、さらにその同級生たち10人(8人は事件発生時点で同じクラスだった)と生徒の親たち3人のインタビューと、インタビューに協力した同級生3人による座談会、教育学者へのインタビュー、著者自身が語り手となったインタビューなどで構成されている。 最も強く印象に残ったのは同級生たちの証言である。 そのため、多くの生徒の身体に直接傷がつくことはないが、その心には傷が残るだろう(もちろん、忘却したり、自らを正当化する生徒もいることは分かっている)。 そういった意味でも、事件から8年が経過し、事件を直視し、その経験を内面化しているこれらの証言は、大きな意味合いがあるように思える。 その次に強く印象に残ったのは、本書で描かれる「いじめ事件」の構図である。 四半世紀過ぎても、同じ悲劇が繰り返されたことを考えると、本書が提起した問題は、残念なことに全く生かされなかったということなのだろう。 著者の考えの全てに賛成ではないが、刊行からすでに20年近く経過し、品切(絶版)になっているようであるが、本書が出版された意義・意味合いは減じるどころか増しているのではないだろうか? 最初の30ページ、鹿川裕史君が自殺までの37時間に見た風景「東京中野の自宅から盛岡の駅ビル地下の公衆トイレまで」がカラー写真で載っている。 一番終わりの写真は、鹿川君が首を吊ったトイレのフック。 フックは低い位置に付け替えられている。 この30ページを繰り返し見る。 鹿川君の胸の内が迫ってくるような気がする。 本文は同級生11人の証言。 生の言葉がそのまま載っている。 表紙と裏表紙には、『このままじゃ、「生きジゴク」になっちゃうよ』という鹿川君の遺書の全文があり、裏表紙の扉には彼の写真とお墓が写っている。 「葬式ごっこ」でいじめられ、死に追い込まれた鹿川君の弔いを心から願う気持ちが本全体から丸ごと伝わってくる。 同じ著者による続編をいつまでもずっと待っています。

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「葬式ごっこ」―八年後の証言

葬式 ごっこ

「あなたは昨日死んだんだよ」 これについて、いじめ加害者らは、よくそういうように 休んだ子をについて言っていたと証言している。 しかし、その度に葬式ごっこをして、当人に「あなたは昨日死んだ」と告げたであろうか。 そのような事実はないのであり、 Aさんにだけこうした行為を行い、苦しそうな様子を見て、ただ単に楽しんだのである。 実はこの日、起きたのはこれだけではない。 この日、Aさんは 持ち物がなくなっていることに気がついた。 美術の作品などを入れる美術バックがなくなっていたのだ。 その中には、 鑑賞会に出品した自分の作品が先生から返却されていて、その作品がバックの中に入っていた。 Aさんはバックを探した。 美術バックは、自分が使っている 隣のロッカーから発見された。 Aさんは、中身を確認せずに、バックがあったことで安堵し、自分のロッカーへ戻した。 この日以来、美術バックは特に使うこともなかったので、 3月の下旬に持ち帰るまで確認することはなかった。 3月バックを持ち帰ってから、事態はさらに悪化する。 美術の鑑賞会で出店したAさんの作品には、 お葬式いじめとつながる第2のいじめが行われていた。 Aさんの作品には署名がある。 その自分の名前の前に「 故」 と書かれていたのだ。

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